19 / 117

第19話

 九条の方も調伏の修行は比較的真剣にやっていたようだ。俺達は並行して師事直後から神川先生の仕事の手伝いもしていた。しかし当時の俺達はかなり自惚れていた。あの神川先生の弟子であることが誇らしかったし、自分たちの能力に自信があった。  この頃の神川先生はまだ両目があった。神川先生が片目を失い義眼になったのはこの頃の俺達が自惚れていたからだ。  俺が修行してまる四年が経ち、五年目になるころ、とある依頼で犬神の調伏に向かった。この犬神は犬神筋として長い年月を経た犬神ではなく、つい最近呪術用として作られた新しい犬神であった。  呪術用に犬神を作るには愛犬の首だけ出るように地中に埋め、恨みを果たしてくれと犬に頼んで犬の首を切り落とす。そうすればその犬が飼い主の恨みを晴らしてくれるというものだ。この犬神を祀るのが犬神筋であり、作られた犬神は古い事が多い。何せ犬神は一旦生み出してしまうと永遠に祭り上げなければ禍を成すので新しく生み出そうという者は中々いない。

ともだちにシェアしよう!