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第20話

 しかしながらその犬神を作った術者がいるらしいという仲間からの情報と、実際に被害に遭っているという人間を紹介されたので神川先生と俺達は現場に向かったのであった。  それはK家というとある地方にある家で起こっていた。家族が次々原因不明の病に倒れ、父親の勤めている会社が倒産した。これは、と思い拝み屋に見てもらうと犬神、それも新しいものの呪いとのことだった。犬神は通常古い方が力が強いが、この犬神は複数の犬をつかって行われていたようで相当強力とのことだった。そのためK家だけでなく親類にまで被害が及び始めているらしい。K家を見た拝み屋の手には追えないということで神川先生に調伏の依頼があった。  その頃の俺は、修行自体は真面目にやってはいたものの、あの十二天将を使役できるという事実に溺れ、注意力が散漫になっていた。  俺達はその当時運転免許を持っていなかったから運転は神川先生で、助手席に座り道案内をしているのは俺だった。神川先生の運転はとにかくスピード狂といった感じで俺と九条は運転中に怯えていたものだ。 「せ、先生ここ制限速度六十キロですよ……!」 「おう」 「カカカカカーブが」 「おうよ」

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