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第22話

 それでより料金の高いうちを紹介されたのでは疑いたくもなるだろう。しかし信用してもらわないとこれからやる術に支障が出てしまうのでまずは十分に状況の聞き取りとコミュニケーションを行うことにする。  神川先生がゆっくりとした調子で母親に聞いた。 「症状がで始めたのは三ヶ月前の四月とのことでしたが、あっていますでしょうか?」 「はい、まずは夫から風邪をひいたような症状が出てまいりました。病院で風邪薬を処方してもらいましたが一向に効かず、そうこうしているうちに家族全員が同じ症状になってしまいました。全員病院を受診しましたが症状は改善せず、大学病院まで行って精密検査をしても原因不明とのことで……。  そのうち夫の会社は倒産し、私もパートをやめ、子供達も学校に行けていない状態です」  咳をしながら説明する母親の周りで父親と二人の子供もゼイゼイとした息をしている。一見すると喘息のようだが検査の結果は異常なしだったらしい。  母親は、 「みんな毎晩犬の夢を見るのです……大量の犬が溶け合って噛み付いてくる夢を……」  と言った。

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