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第26話
俺は式神達に皆の防御を指示した。さらに荒ぶる犬神。独特の獣臭と様々な犬の鳴き声が聞こえてくる。
「九条早くしろ!」
「わかってるって!!」
俺達はそれぞれ怒鳴り合い、リビングは修羅場と化した。食器棚の食器が凄まじい勢いで飛んでくる。
「六合!」
六合はそれを間一髪で防いだ。こんな事態になるならもっと式神を呼んでおけば良かったと俺が思った瞬間、
バキバキバキバキ……!
部屋の壁が剥がれていく。きっと相手はものすごい量の犬を使って犬神を作ったんだろう。尋常な力ではない。
「私のことはいいから、ご家族と九条を守りなさい」
俺は式神を追加で召喚しようかとおもったが、精神統一が必要な式神召喚はこの場ではとてもできなかった。したがって今いる四体の式神で全員を守り切らなくてはならない。だから神川先生は自分のことは自分で守れるから、と式神による守りを断った。
「わ、わかりました」
と神川先生についていた太裳を家族の守りにつかせた。これが良くなかった……
神川先生も急いで人形を作っていた。家族は怯え、子供達は泣き出していた。大人は子供を庇うように抱きしめている。
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