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第40話

「そうですね、殺人事件まで起こしているわけですから、容易には捕まりそうにないですよね」 「残りの二家族に式神つけてんだろ?なんかあったらわかるだろ」  九条が何でもないように言う。 「俺はな」 「じゃあいいじゃねえか、寝ずの番宜しく」 「お前なあ」  こいつはいつもこうだ。とにかく俺に何でも押し付けてくる。しかし俺ももう反論する気力もないし、反論したところで九条は「じゃあ俺何すりゃいいの?」と開き直るだけだと言うのはこの十三年の付き合いでわかっている。 「俺帰っから。先生もそれでいいっすよね?」 「……まあ現状そうするしかないだろうな、榊悪いけど宜しく。俺も寝ずの番付き合うから」  神川先生はすまなさそうに言ってくれる。先生が寝ずの番に付き合ってくれるのであればむしろ僥倖だ。 「…………わかりました」 「先生も帰りましょうよ〜」 「いや、何かあった時のためにもう一人残っておいた方がいいよ。今日は俺が残るけど明日は九条宜しくな」 「は?榊と一晩一緒とか罰ゲームっすよ」  俺も全く同意見だ。 「文句言うんじゃねえ」  神川先生が諭す。 「榊のお坊ちゃんは調伏ができねえもんなー仕方ねえなー」

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