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第53話

 けれど、神川先生の中では何年経っても忘れられない程、強烈な感情なんだろう……。それにしてもこのタイミングでそれを俺に告げた九条には人間の心があるとは思えない。そんなやつに「俺にしておけ」と言われても願い下げだ。  帰宅してから十時間ほどぶっ続けで眠っていたらしく、今は翌日の朝だ。俺はシャワーを浴びることにした。ずっと事務所にいて風呂は近所の銭湯ですませていたから自宅のシャワーを浴びるのは久しぶりだ。  ようやく夜刀の神の復活を止めることができた。しかしなぜ犯行グループは最後全員で襲撃をしたのだろうか?逮捕されるのが分かっているのにそれでも全員で襲撃した理由がよくわからない。まあ俺の式神との意思疎通が途切れたタイミングだったから、四人の中に術に精通している者がいて好機だと思ったのかもしれない。  それでも。  シャワーを浴びると血行が良くなり頭が回りだす。  彼らの中に術に精通している者が居たとして、物理的な襲撃を行なったのはなぜだろうか?呪詛を飛ばせるほどの力量がなかったから?式神がいたので呪詛を飛ばさなかったのだろうか?

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