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第60話

 閉じた瞼の中が一層明るくなる。森が燃えているらしい。俺はすぐさま神川先生のところへ駆け寄りたかったが、神川先生の死を認めるのが怖くてできずにいた。  式神からの意思疎通で完全に夜刀の神を殲滅したとの報告があったが念には念を入れて一晩中残党を探してもらうことにした。  ようやく瞼を開け、恐る恐る神川先生の方を見ると、首がない神川先生の胴体とその数メートル先に神川先生の首が転がっていた。雨で血がどんどん流されていく。 「神川……先生……」  同じくして目を開けた九条も絶句している。あの神川先生が、殺されるなんて。 「先生……先生……」  俺は半狂乱になって神川先生の首を手に持ち胴体にくっつけようとした。それを九条が止める。 「……もう……だめだ……」 「うるさいうるさいうるさい!神川先生……神川先生……」 「榊!」  九条は思いっきり俺の頬を叩いた。しかし俺は最初から正気なのだ。正気で神川先生の首をくっつけようとしている。 「もう、だめだっつってんだろ!諦めろ!」  俺は頭フル回転させて神川先生を元に戻す方法を考えた。 「反魂の儀だ……お前ならできるだろ九条……頼む……」

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