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第86話

 結局、俺は同じ傷を持つ九条と一緒にいないと生きていけない。今回の件で九条以外の人間とそういうことをするのは絶対に嫌だってわかったし、もうこれは腐れ縁のようなものだと思ったのだ。多分一緒に住んだら言い争いは絶えないだろうし苦労するだろう。でも結局、同じ傷を持っている九条以外と俺はうまくやっていけないと思う。  神川先生が知ったらびっくりするだろうな、と思って笑っていると、 「おい、何がそんなにおかしいんだよ」 「いや、神川先生が知ったら驚くだろうなと思ってさ」 「……だろうな」  九条も笑い、しばらくそのまま二人で笑い続けた。  俺達は俺の家に一旦寄り当座の荷物をまとめて九条の家へ向かった。 「……相変わらず雑然としてんな」 「うるせえ」  俺は荷物を適当なところへ置くと風呂を借りた。あの男の感触を一刻も早く流したかったからだ。後孔へ突っ込まれたローションも流し切り風呂を上がり、九条のジャージを借りる…

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