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第98話
数分後、携帯電話に「N氏」という携帯電話の番号と仕切りにやりとりをしていることがわかった。警察で調べた結果、この「N氏」は西川 雪菜という人物の携帯電話であることがわかった。
「西川 雪菜という名前に覚えはありませんか?」
と当主に聞くと
「いえ、ありません……それにしても女性ですか、ならば……」
「そうです。この西川 雪菜という女性が例の箱を現在持っているとしたら、彼女自身も危ないです。おそらく西川は呪術の知識があるので何らかの策は講じていると思いますが、生半可な策ではあの呪力は抑えられないでしょう」
という会話を俺と当主がしていると、九条が言った。
「西川……確か四国のあたりに西川っていう拝み屋がいて、その娘が確かそんな名前だったような――」
「それは確かか九条!?」
「……確かだよ。最近、俺とその雪菜って娘の……見合い話があったんだよ……断ったけど……」
九条は非常に言いにくそうに言った。俺は気にせずに返す。
「西川家の連絡先はわかるか?」
「俺の実家に聞けばわかる……ちっと連絡してくるわ」
そう言って九条が連絡をする。
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