「そうそう、俺が断った西川　雪菜って娘。……別にそういうんじゃねえんだよ。例の箱、わかんだろ？あれ絡みだよ……うん……わかった」 「西川本家の連絡先と雪菜の居場所がわかったぜ。今は大阪にいるみたいだ」 「よし、これから向かおう」 　と言っても調査に丸一日かかり今は夜半。公共交通機関は当てにならない時間帯になってしまったから車で行くしかない。俺は全国に散っていた式神を一旦還すと、朱雀と白虎を呼び出し同行させた。 「俺は西川本家に連絡をとりながら行く。最近の雪菜の動向を聞いてみるわ」 「九条頼んだ。俺はレンタカーの手配をする」 　こうして真夜中に島根を出発し、大阪へと向かうことになった。 「お二方、何卒よろしくお願いいたします」 「はい、では詳細は適宜連絡いたしますので、当主様はそろそろお休みになってください。では」 「運転なら俺がする……お前はあんだけ式神使ったんだし休んでおけよ」 「……そうだな、でも安全運転で頼んだぞ。少なくとも俺が助手席で眠れる程度にはな」 「へいへい」