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第105話

「貴様ああああああああああああ!あの女をどこへやった?」  その間に九条はタクシーを手配し、もう一人の警官とともに隣の家族を乗せるとその場に残った。俺と朱雀と白虎は女と対峙していた。 「病院だよ……病室にも移動している車にも結界を張らせてもらったからもうその呪物は効かない。諦めてこちらに渡すんだ」 「糞糞糞糞!!あの泥棒猫め!!糞マンコとその餓鬼め!呪ってやる!!呪ってやるんだ!」  白虎は引き続き女を抑えている。式神の力と女の力では差は歴然だが、完全に箱を取り戻すまでは決して油断しないようにする。とりあえず女と俺と式神を強力な結界で閉じ、万が一何かあっても外にいる警察官と九条に被害が及ばないようにする。  もう、俺のせいで大切な人を傷つけたり失ったりはしたくない。 「……ヤバい、中のコトリバコがあの女の殺気と呼応してやがる……!」  九条がそう言うので急いで霊視してみると、確かに殺気が呼応して中のコトリバコが活性化している。同時にブチブチと何かがちぎれていく音がする。

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