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第16話

こんな関係になっても甘んじて受け入れていたのは、ルイなら構わないと思ったのが理由だ。 本当は本心が知りたいけれど、怖くて聞けない。それに、聞いてもどうなるものでもないと諦めている。 辛いこともあるけれど……。傍にいてくれればそれで良い。 「王子様だって、ずっと私で善くなっているでしょう?さぁ、脚をお開きください」  いつも、なぜルイに命じられているのだと引っ掛けるが、素直に脚を左右に広げる。  そして、あられもない姿をルイの前に晒す。  いつになっても、心情としてアンドレイは慣れることができない。  直ぐにルイはアンドレイの前に身を寄せて、アンドレイの脚に手を添えて硬い屹立を解れた秘孔に宛てがった。 「そろそろ、挿れますよ?」  ルイは獰猛そうな目を向けると、アンドレイの中に侵入してきた。 「あぁっ……」  初めはやはり痛い。  しかしこれも、ルイを自らの身体で感じられる幸せも実はある。 「では、動きます」  ルイ律儀に告げると律動を始めた。  そしてしばらくすると、ルイを覚えているアンドレイの中は、待っていたとばかりにルイを締め付けた。 「くっ……やはり王子様の中は最高ですね。見事に私を締め付けてくる」 「言っているだろう。こうなったのは、そなたのせいだっ」 「えぇ、そうです。私が貴方様を私だけのものにして差し上げたのですよ」 「どっ、どういう意味だっ」  反発するように言いながらも、すっかりとルイに開発された体は、悦びに震え燃え上がっていた。 もう、ルイにしか感じないのではないかと思える。 他の職人など、知らないけれど……。 「私でしか、興奮しないお体にして差し上げたのです。貴方様は、私にだけ善がっていれば良い」  ルイの息は荒くなっている。 「おかげで、私は他の者を求められなくなった」 「そう、それで良いのです」  ルイは不敵な笑みを見せると、繋がったままアンドレイを抱き起こし自身の膝に座らせた。 「んっ……」  この体勢はいつもしているもので慣れてはいるが、やはりルイのものがより深くアンドレイを抉るような気がする。 それに、一番感じる部分を刺激されアンドレイの熱は最高潮に達した。 下から突かれるのを、汗ばんだ体で受け止める。 「そなたはっ、なぜこんなことをするっ」  ルイの首元に腕を回し、彼にしがみつくようにしてアンドレイは耐えた。 「こんなこととは?」  ルイが熱っぽい目で問い返してくる。分かっているだろうに……。

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