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第19話
「ルイっ!」
「落ち着きください」
「落ち着けるかっ!」
慌てふためきルイから逃れようとしたが、彼の力が強く敵わない。
「今日一日の活力をください」
そう言うと、ルイは身を離した。
「んっ!?」
すると、今度はルイの唇が自分のそれに重なる。
軽く触れるだけのキス。
あっという間の出来事だった。
これまでアンドレイは、ルイのことを大事な友人と思ってきたし、傍にいてくれるだけで有り難いとは感じている。
しかし、この様な行動に出られるとは思っても見なかった。
これまでも彼は傍にいてくれたし、アンドレイに尽くしてくれている。
それでも、友情や忠誠心以外の気持ちがあると彼の口から聞いたことはない。
アンドレイの心はますます混乱してしまう。
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