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第37話

「子供の頃から、あなた様をお慕いしてきました。女性に興味があるわけがございません。けれど、あなた様とは身分の違いがありますし、叶わぬ恋と思い気持ちは秘めてきたのです」 「わ、私を!?」 「はい。あなた以外、考えられません。王子様は、私をどうお思いですか?」  真っ直ぐに見つめられ、アンドレイは観念した。 「……私も、そなたが好きだ。ずっと前から」 「本当ですか?」  ルイは喜びに目を輝かせる。この様な顔はなかなか見る機会はなかったかもしれない。 「あぁ、そうだ。しかし……では何故、私を身体だけ求めていたのだ?」  そうだ。ルイは以前からアンドレイの身体を求めてきた。 最近は頻度こそ減ったが、今も一月に数回は抱かれている。 「それは、王子様に触れたかっただけです。欲に勝てませんでした」 「ルイ……」 「王子様に触れるなど、罪だということは分かっていました。でも、心を繋ぐことができないなら、身体だけでも触れたかったんです」  秘密の関係でも、周りに秘密にしてでもアンドレイが欲しかったのだという。 「それなら、初めから気持ちを言ってくれたら良かったのだ……私は、ずっとそなたの気持ちが分からなかった」 「申し訳ございません。王子様のお傍にいられれば、それで良かったのです」 「実を申せば、私もそなただから密かに抱かれ続けた。ずっと前から、私にはそなたしかいなかったのだ」 「王子様……」 「そなたと身体を繋げられるだけでも、私は嬉しかった」  アンドレイは緩く笑んだ。その時、ルイがそっと口付けをしてきた。 「愛しています、王子様」 「い、いきなり不意打ちするな!」  アンドレイが突然のことに驚き身体を少し起こそうとすると、腹部に痛みが走った。

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