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第40話
すると、ルイは唇にチュっと軽めの口付けをくれた。
次は、深くて濃厚な口付けへと変わる。
口の開いた少しの隙間から、ルイの舌が忍び込んできた。
アンドレイの舌が捉えられ、愛撫される。
「んっ……ふっ……」
頭がクラクラする。まるで酩酊状態になったみたいだ。
ルイと舌を絡め合い、アンドレイの体温も急上昇していく。
もう、 理性などどこかへ行ってしまいそうになる。
しばらくすると、ルイは唇を離して耳元で「愛しています、王子様」と甘ったるい声で囁いた。
そして、アンドレイの身体を抱き締める。
「ル、ルイっ。誰かに見られたらどうするのだっ」
しっかりとルイの腕の中に抱き留められながら抗議した。
「誰も通りはしませんよ。それに、私は別に王子様となら見られても構いません」
ここに来るにあたり、服装にも気を使った。宮廷内で着ている王子としての服ではなく、できる限り平民に近い服で来たのだ。王子であると、民に判明しては困るから。
だから、アンドレイが王子だとは気付かれはしないだろう。しかし、こんな外で口付けや抱擁をするなど、考えてみれば恥ずかしいことのように思える。
「馬鹿を言え。私が恥ずかしいのだ」
アンドレイが顔を赤くすると、ルイが密着してきて顔を覗いてきた。
「お顔が真っ赤ですよ?」
「見るな!心臓が持たない」
心臓の鼓動が速くなり、落ち着かない。
「心臓ですか?」
ルイがアンドレイの左胸に手を添えてきた。
「本当ですね。そんなに緊張されているのですか?」
ルイはクスりと笑った。そして、胸を服の上から集中的に弄り始める。
「あっ……やめろ、ルイ……そんな……」
乳首の辺りをコリコリと執拗に攻めながら、ルイが「王子様に、触れたくてたまらない」
と熱っぽい目で言ってきた。
「王子様、そろそろ帰りましょうか」
「え、も、もう帰るのか?」
ルイの提案にアンドレイは少し驚いた。ここに到着してから、さほど時間は経っていないのだ。
「ここに、二人で来られただけでも嬉しいです。それより、帰ってからもっと楽しみましょう?」
「は!?」
動揺したが、ルイの言わんとすることが分かってしまった。
「あなたを、あなたをじっくり堪能させてください」
そう耳元で囁かれ、思考が止まってしまう。
アンドレイは、ルイに手を引かれて宮廷までの道を帰った。
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