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第47話
「そうか……どこから聞いたのだ?」
「隠しきれなくなる時がくる、と言っていたところでしょうか」
ユーリはルイに苦々しい顔を向けた。
彼女は、アンドレイに常に寄り添うルイを、子供の頃から今でも煙たがっている。
兄が大好きなユーリは、ルイに兄を取られそうで嫌なのだ。
「どういう意味か、分かるか?」
アンドレイとルイは、2人同時に固唾を呑んだ。
「はい。つまり、兄上とルイ殿は愛し合っているのでしょう?」
やはり、ユーリには分かってしまったようだ。
いつかは明るみになるかもという不安はあったが、その時がこんなに早く来るとは思わなかった。
いや、身体を繋げるようになってから、隠し通せていただけでも奇跡か。
嫌な汗がアンドレイの背中を伝う。
「あぁ、そうだ。このことは、誰にも話さないでくれ。良いな」
「分かりました、兄上。私は誰にも申しません」
「頼んだぞ。さて、ここで食べていくか?」
「あ、はい!」
「ルイ。食事に用意してくれ」
「かしこまりました」
一礼をして、ルイは今度こそ部屋を後にした。
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