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第67話

アンドレイは息を殺し緊張感に耐えた。  そして、部屋の外からドアの鍵を壊しているような音が聞こえた。その後、間髪入れずにドンと大きな音を立ててドアが開き人が入ってきた。 「王様っ!!」  息を切らしたルイだった。遅れて、血相を変えたクラウド王も数名の兵と共に入ってくる。 「やめろっ!!」  クラウド王も大声を上げた。何が何だか分からずに、アンドレイは2人の方を見つめる。一瞬遅れて、どうやらルイらラティーナの兵たちが、ウルバヌスの兵たちを退けてここまでやってきたようだということが分かった。  剣を手にしたクラウド王はルイに切りかかった。しかし、間一髪のところでルイが振り返り咄嗟にクラウド王の剣を避けた。  そして、ルイは自身が手にしている剣を構え、クラウド王と闘い始める。 クラウドは一国の王であり、殺したり傷付けたりするわけにはいかない。  ルイは、気を付けながら応戦している。 クラウド王にも負けない剣さばきで、いつの間にこれほどに強くなったのかとアンドレイは感心した。  闘っている間にクラウド王は体力を消耗したようで、床にへたり込んだ。  そうしている間に、ルイがこちらへと来て鎖を切って解放してくれた。そして、首輪も外してくれる。  その間は、ラティーナの兵がクラウド王らを食い止めてくれていた。我が兵もなかなかのものだと、上手く働かない頭で考えた。  目の前にルイがいて、拘束を解いてくれた。信じられない心持ちだ。 「ルイ……」  アンドレイはしっかりと見つめた。 「王様、急いでここを出ましょう」  そう促され、ルイと共に部屋を出ようとすると、兵に制されながら「ただで済むと思うな!」と叫ぶクラウド王の声が響いた。  走ろうとするものの、アンドレイの足はフラつき足元が覚束ない。 その様子を見たルイがアンドレイを横抱きにして外を目指した。  この時に三階の部屋に閉じ込められていたことを知った。階段を降りる際には、さすがにルイは辛そうだ。 「ル、ルイ、降ろせ」  アンドレイが抗議をすると、ルイはどうということのない顔をした。

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