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第1話限界オタクな僕、不良君にハグされる

ーザワザワ 「俊くーん!」 「真緒きゅんが指ハートしてるよー!」 「キャー、これもいい!」 色々と女性のメンバーの名前やら色々な歓声が聞こえてくる。東京ドーム近くに開催された、2次元男性アイドルグループのCREAMIII(クリームスリー)のグッズが売られている。人の数がすごく多い。隣りの県である、東京は僕の宝の城だ。僕のとこは都会に近くても田舎だからね。にしても、やっぱり、男は見受けられないな。けれど、僕は目を輝かせながら人だかりの売り場へ駆けて行った。 僕は、目に止まるグッズをそれぞれ手に取って、歓喜する。バイトして集めた僕の大切なサイフの中のお金を考えながら、グッズを買っていった。それは、もうたくさんのグッズを買った。新しいしの様のキーホルダー15個に、CREAMIIIの描かれたカード入れファイル。等身大のしの様の描かれたファイルと、CREAMIIIのメンバーの描かれたファイルも。ピンク色のしの様カラーの可愛いリボン。今日のグッズ限定衣装の等身大しの様のアクリルスタンドも買った。それと、しの様の大きなぬいぐるみも買った。しの様の大きなぬいぐるみは流石にカバンには入らなかったから、両腕で抱えて持った。 「これぐらい買ったら、十分だ。しの様をたくさん買えた!うれし過ぎるよ」 僕は心を弾ませながら、グッズ売り場から出て行った。 -------❁ ❁ ❁----------❁ ❁ ❁------- 「美羽姉はSHINESTARSのグッズをアニメートで友達と買いに行ってるんだよね。お姉ちゃん達と合流しよっかな」 僕はそんな事を呟きながら、街中を歩いた。SHINESTARSはこれも2次元男性アイドルグループ。美羽姉の影響で僕は2次元に惹かれていったんだよね。SHINESTARSよりもCREAMIIIの方が1番だなって僕は噛み締めた。 とたくさんの大きなお店が横に立ち並ぶ、路上を歩いていたら、見た目からして怖そうな人達を見かけてしまった。 「おい、こう!俺らとやろうぜ」 「いや、無理だ。今日はお前らと俺は、関わりたくねーんだよ」 「なんだって。こう、怖がってんのかよ」 「怖がりだったのか、こう」 「は?俺がお前らに怖がるわけねーだろ」 奇抜な髪型や丸坊主の頭に刺青の入った怖そうな4人の人達が、背の高くて体格良くて、イケメンな金髪の男の子に言っている。金髪の男の子はこうと言うらしい。その子は、イライラしている様子でシッシッと手を振っている。あの子も不良なんだよね。僕はあまり見かけないヤンキー、不良くんに恐れて立ち止まっていた。 すると、金髪の男の子と目が合っちゃった。そして、僕に近付いて来た。 「こいつを待っていたんだよ。俺はな」 「えっ!どういう事…れすか!?」 僕は金髪の男の子に前から抱きしめられた。そして、金髪の男の子は戸惑う僕に気にもしないで、あたかも僕を待っていたと発言した。僕は戸惑って驚き、言うと男の子は僕の口を塞ぐかのようにギュッと僕の身体と頭を強く押さえて抱きしめられた。 「え!なんだよ、こう。お前、彼女いたのかよ」 「まじか。こうに彼女……」 と口々に4人のヤンキーの人達が言った。 「じゃあな」 と金髪の男の子は言って、僕の片手を掴んで走り出した。僕は、びっくりして、しの様にドキドキするような動悸じゃない、怖い動悸の音がし始めた。怖いよ〜! 「ってかさ。あの女の子、見た目は可愛いけどよ。キモオタクじゃね。あんなに2次元グッズ買っててさ」 「そうだな。オタクだよな。2次元しか興味無さそうな女」 「あの子のどこが良いんだ?」 「わかんねーわ。こうの女の理想像が」

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