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第5話

絢瀬は何度も臀を叩かれていた。 痛みで涙は出るし、声も抑えられない。それなのに体はそれを喜んでいる。 「これはさっき隠そうとした罰」 「ヒィっ、ンッ!ごめんなさい……っ!」 謝っても千隼の手は止まらない。 しばらくして漸く痛みが止んだかと思えば、絢瀬は優しい手に頭を撫でられた。 「よく頑張ったね」 「ふ、ぅ……千隼、君……」 「うん。上手だったよ。」 「あ……お、終わり?もう、痛くしない?」 「うん。終わり。でも苦しそうだから出させてあげる」 千隼はそう言って絢瀬の陰茎に指を絡めた。 ギョッとした絢瀬はその手を離させようとして、睨まれて止めた。 「うっ、ぁ、んっ、んっ!」 「声出して」 「んっ、ぁ、あ、あっ、はぁ、はぁーっ」 叩かれている間もずっと勃起していたペニスはもう射精しそうで、タマがギュンっと上がって、絢瀬はシーツを強く掴む。 「イきそう?」 「っあ、はいっ……」 「いいよ。Cum(イけ)」 「──ッ、あ……」 ビュクっと精液が飛ぶ。千隼の手を汚してけれど千隼は満足そうだった。 「Lick(舐めて)」 「あぇ……んぅ……」 「恥ずかしいね」 その汚れた手を舐めるように言われ、絢瀬はチロチロと舐めた。雄臭くて嫌だったけれど、拒否できなかった。 「goodboy(いい子)」 「あ……千隼、君は……?」 「ん?」 「それ……まだ出してない、から……」 「ああ。俺はいいです。割と満たされたので」 「え……。抱か、ないの?」 絢瀬が聞くと千隼は困ったように笑った。 その様子からどうやら本当にプレイが終わったのだと思って、絢瀬は寂しくなった。 「準備してないから今日はしない。」 「……」 「そんな顔しないで。抱きたくないとかじゃないから。」 「……だ、って」 絢瀬は続けようとした言葉があまりにも下品だったので口を噤んだ。けれどそんな彼を見逃さない千隼は、彼の顎を掴み無理矢理目を合わさせる。 「say(言って)」 「……ぅ、千隼君のを舐めてる時、これで、めちゃくちゃにされると思って、嬉しかった……」 「へえ。だから勃起してたんだ?」 「……期待、してたから、今日がこれで終わりなのは、寂しい」 「……可愛い」 千隼は顔を近付け、そっと唇を重ねた。 ねっとり舌を絡め絢瀬の歯列をなぞり、わざとリップ音を立てて唇を離す。 鼻先が触れそうな程至近距離で口を開いた。 「待て、できない?」 「……したら、ご褒美くれる……?」 「もちろん。最高にイイことしてあげる」 絢瀬は一つ頷く。 千隼はもう一度「いい子」と言って輪郭を撫で、触れるだけのキスを与えた。

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