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第12話

絢瀬の頭の中は白いモヤがかかったようにホワホワしていて、それがただ幸せだった。 「よく耐えたね。偉いよ、絢瀬。」 「ん……」 千隼は囁く様にそう言って何度も絢瀬にキスをする。 頭や、少し赤くなった頬を撫でて褒めた。 「千隼君……ん、もっと、キスしたい」 「いいよ」 強請るとキスをしてくれた。 さっきまでとはまた違う雰囲気に多幸感で満たされて、絢瀬は千隼に抱きついた。 「ごめん。痛かった?」 「……お尻ヒリヒリする」 「あー……お風呂で水かけて冷やす?」 「あとで」 千隼は彼の背中を撫でながら、明日も泊まって少しずつ準備をしていくか、と考えてそれを絢瀬に提案してみた。 「準備って……?」 「ここ、使えるように」 「っ!」 まだ全裸のままの絢瀬は突然赤くなった臀を掴まれ、その奥にある後孔に指が這わされたことに驚いて、小さく体を震わせた。 「嫌ならやめるけど」 「嫌じゃない!」 「あ、うん。じゃあ明日も泊まっていい?」 「うん。嬉しい」 千隼はスマートフォンを出して必要な物を通販で購入した。 「明日届くから」 「え、何が……?」 「準備に必要なもの。頑張ろうね」 「……頑張るから、沢山褒めてね」 すり、と千隼の手に擦り寄る。 千隼は頷いて、スマートフォンを置いた。 「ねえ、また千隼君出せてないよ。抜かなくていいの……?」 「あー、そうだね……」 「俺やるよ。できるよ。やらせて……?」 千隼はニンマリ笑い、下履きの前を寛げた。 絢瀬はゴキュッと喉を鳴らし、そこに顔を近付ける。 そして躊躇いなくキスをして、チロチロと舐め始めた。 「ん、んく、ふ……っ」 「もっと」 「ごっ、ぐぅっ!」 先端を舐める絢瀬が焦れったい。千隼は彼の後頭部に手をやって無理矢理奥まで咥えさせる。 絢瀬は何度も嗚咽してそれでも千隼を傷付けてはいけないので、必死になって口を開けた。 「っぐぅ、ぶっ、ぅ、ふーっ、フーッ!」 「ここ、全部開けろ。」 絢瀬の喉を触りながら言う千隼は興奮しているようで目元が赤い。絢瀬はそれが嬉しくて期待に応えようと体から力を抜いて喉を開くイメージをする。 「ん、そう……締めて」 「ギュ、ッ、ぐ……っ」 「はぁ、ん、気持ちいい」 しばらく律動した千隼は絶頂感を感じて、ずるっとペニスを引き抜くと、絢瀬の間抜けな顔に向かって射精した。 「っ、はぁ……はぁ」 「ん、ちゅっ」 「あー……」 射精したばかりのペニスを咥え、最後まで吸った絢瀬は顔に飛ぶ精液を手で拭いそれを千隼に見せつけるようにして舐めた。 「美味しい」 「……いい子」 千隼は疲れたなぁと思ってソファーにもたれ、目を閉じた。

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