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第16話
細かく震える絢瀬の拘束を解いてそっと抱きしめる。
「いいこ。ちゃんと耐えて偉かったね」
そう言うと絢瀬は多幸感に包まれて甘く絶頂する。
体が落ち着いて破顔したあと千隼の背中に手を回した。
「上手にできた……?」
「うん。とりあえず今日は終わり。明日はもう少し太いの入れられるようにしようね」
「あ……千隼君の……?」
「それはまだ早いよ」
体を離すとどちらとも無くキスをして、また肌をくっつける。
「絢瀬、あんまりこっちでイけてないでしょ。」
「ぅ……」
「体楽にしてて。キスしながらしようか」
「う、ん……」
唇を重ね、絢瀬のペニスに触れる。
千隼は手を動かしてそれを扱きながら、舌を絡めた。
濃厚なキスと千隼の手により与えられる快感。絢瀬は無意識に腰をヘコヘコ動かした。
「んっ、ぐっ、うぅ……っん!」
「ん……come 」
「っ、──ッッ!」
細かく痙攣しながら達した絢瀬は、今度こそ意識を失った。
千隼は少し反省して、絢瀬の頬をぱちぱち叩く。
さすがに絢瀬を運ぶことは千隼にはできない。
「……ん」
「ごめんなさい。起きて」
「……あれ、俺、寝てた……?」
「うん。言ってもほんの少しだけ。立てそう?」
「うん、立つよ。」
千隼が手を貸すと、絢瀬はその支えを借りて立ち上がる。そして自分が全裸なことが今さら恥ずかしくて、顔を赤く染める。
「お風呂行こう。歩ける?」
「……恥ずかしい」
「何を今更」
千隼は笑って絢瀬と手を繋ぎ、風呂場に向かった。
風呂場に着くと、一人で入ると思っていた絢瀬は、千隼も服を脱ぎ出したので驚いた。
気がつけば甲斐甲斐しく、千隼の髪も体も洗われていた。
お返しをしようとして「stay 」と言われ、動けなくなる。
湯船に浸かって待っていると、手が差し出された。
その手を取ると、キュッと握られる。
「絢瀬、無理してない?」
「無理……?」
「うん。俺は凄く満足してるんだけど、絢瀬は辛くない?……今日に関しては完全に俺の嫉妬だし。」
「しっと」
「うん。ごめんなさい。俺ね、パートナーの事となるとすっごく子供だなんだ。……今更だけど、俺とパートナーになって後悔してない?カラー送ったけど、押し付けたみたいになった……?」
絢瀬はギョッとして千隼の手を強く握り返す。
そんなこと、全くなかったからだ。
これまで抑えていた欲を解放させてくれたのは千隼だ。
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