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第一章・7
翌朝、実由のアパートで朝食まで摂った健斗は、高校の寮に戻った。
「え? もう、帰るの?」
日曜日だから、ゆっくりしていけばいいのに、という実由の誘いを断って。
「寮の清掃当番なんだよ。もう、行かなきゃ」
「そっか。残念」
そんなやり取りの後、健斗を見送った実由は、途端に暇になってしまった。
そうなると浮かんでくるのは、昨晩の司のことだ。
「電話……、よりラインがいいよね」
『おはよう。昨夜はどうしたの? 何か、大丈夫?』
しばらくして、返事が来た。
『おはよう。こっちこそ、ごめん。心配させた?』
「べ、別に心配なんかしてないし!」
それでも実由は、司に優しい言葉を送った。
『よかったら、午後なら会えるよ』
『嬉しいな。ぜひ、会いたいよ』
時刻と場所を約束し、実由はうなだれた。
「また……、デートしちゃうんだ。僕」
健斗という好きな人がいながら、司とデートする。
罪悪感を覚えながらも、会わずにはいられない。
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