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第二章・2

「じゃーん。今日は、星井ホテルに来ました!」  一流ホテルなので、内装が素敵だ。  実由はおどけて、部屋の中央でくるりと廻って見せた。  そんな実由を見る司のまなざしは、どこまでも優しい。 (あんまり過保護にしないで欲しいな。でないと……)  抜け出せなくなっちゃう。  そんな甘い危うさを、司は持っていた。 「シャワー、浴びようか」 「洗って欲しいの?」 「嫌なら、いいけど」 「嘘。一緒に入ろう」  昨夜、遅くに『会いたい』と言ってきた司だ。  今日に伸びた分、優しくしてあげたい気持ちに、実由はなっていた。  二人とも素裸になってしまうと、バスルームで向かい合わせに座った。  シャワーを流して打たせ湯代わりにしながら、実由と司は唇を合わせた。 (ん、気持ち、い……)  貪るような健斗のキスとは違い、司の口づけは穏やかだ。  唇を合わせて緩やかにリップを食んだ後、そっと舌を絡ませてくる。  大人の余裕、かな。  いつも実由は、そんな風に考えていた。

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