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第三章・4
「まだ、誰か残ってるかな? もう、誰もいないよね」
生徒会室が施錠されていれば、アウトだ。
職員室まで行って、教師に鍵を借りなければならない。
「ああ、面倒くさい」
そもそも、健斗が鈴谷さんに言い寄ったりするから、こんなことに!
責任を健斗に押し付け、実由は生徒会室の前までようやくやって来た。
「……何か、人の声がする」
それに、物音も。
誰か残っているのなら、ドアは開いているはず。
鍵を取りに職員室まで行く手間は省けたが、実由はその声や物音に気を取られた。
(これって、もしかして)
そっとドアを細く開け、中をうかがってみると。
そこでは、二つの人影が交わっている真っ最中だった。
「あ、はぁ。っく、んんぁ。やッ、ぃやッ、もう……ッ!」
「バックも、たまにはいいな。新鮮だよ」
デスクにしがみつき、喘いでいる姿。
それを後ろから突きながら、ぎしぎし軋ませている姿。
(秀孝さんと……、淳さん!?)
見てはいけないものを、見てしまった!
慌てて実由はドアを閉じ、そっとその場を後にした。
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