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第四章・6
前戯が少なく、すぐに挿入してきた健斗に、淳は戸惑っていた。
(秀孝とは、全然違う)
だけど、今日の放課後はこんな風に、すぐ貫いてきたじゃないか。
そう思い、健斗の背に手を回した。
「んぁ、あ! 健斗、すご……いッ!」
「いい? 気持ち悦い? 淳さん」
「いい、よ。感じ、る、うぅッ!」
速く力強い腰突きは少し苦しく痛かったが、それが健斗の持ち味なのだと淳は耐えた。
「んッ、うぅッ! はぁ、はぁ、あぁあ!」
(すごい。淳さんが、こんなに乱れて……!)
「淳さん、俺。俺、嬉しいよ!」
「僕も、だよ。健斗、好きだよっ」
好き、との言葉に、健斗は思わず自分を解放していた。
熱い精が、淳の体内に勢いよく放たれた。
「んぁあ、あ! うぅ、あぁあ!」
「淳、さんン!」
歯を食いしばって精を吐いた後は、胸をひたひたと気怠さが浸してくる。
はぁ、と息をつきそうになり、健斗は慌ててそれを飲み込んだ。
『情けない声。ホントの恋人ができたら、そんな声出したらダメだよ』
実由の言葉が、思い出されたのだ。
(今まで、実由に慰められてばかりだったけど)
健斗は、果てた淳の髪をさらりと撫でた。
これからは、本当の恋人を大切にしていくんだ。
そんなことを、考えていた。
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