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第五章・3
結局、実由が3回ほどイッてから、司が達した。
体内にたっぷり注がれ、実由は震えて快楽を味わった。
「あ、はぁ、あぁ。ひぅ、うぅ、んうぅ……」
「すぐにイけなくて、ごめん」
「ううん……、すっごく感じた……」
司の腕に手を絡ませ、実由は鼻を擦り付けた。
「僕こそ、ごめん。健斗の名前なんか、呼んで」
「今夜ばかりは、仕方がないさ」
司は実由の頬に手を伸ばし、そっと涙の痕をぬぐった。
「健斗くんのお相手は、どんな人?」
「生徒会の、副会長。みんなの人気者」
淳さんは、秀孝さんとくっついてるんだ、って思ってたのに。
そうつぶやく実由は、庇護欲を誘う。
司は、今夜こそ言おうか、と思った。
『実由、好きだよ』
だが、先に口を開いたのは実由の方だった。
「淳さんは大人だから、きっとすぐに健斗のこと嫌になるよね。お子様だもんね、健斗は」
「……そうだな」
「そしてまた、僕のところに来るんだ。実由~、俺またフラれちゃったよ~、って」
「うん」
司は、言葉を選んだ。
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