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第五章・6

 淳と健斗の組み合わせを見て、胸をざわつかせたのは実由一人ではなかった。 「淳の奴、一体どういう気だ?」  生徒会室の窓から、二人を見降ろす目がある。  秀孝だ。  朝は誰よりも早くここに来て、掃除などしている淳が。 「やけに遅いと思ったら、誰かと一緒に仲良く登校、か?」  相手は、飛永 健斗。  2年生の、副会長だ。 「同じ役職同士、話が合うのかな」  そこへ、明るい声が響いた。 「おはようございます、秀孝さん!」 「やあ、毛利くん」  そう。  飛永は、この毛利といつも一緒だと思っていたが……? 「毛利くん。今日は飛永くんと一緒じゃないんだね」 「え? あ、はい。あの、その……」 「喧嘩でも、したの?」 「いいえ! あの、実はその。健斗は淳さんと付き合い始めた、って」  何と。  動揺こそしなかったが、秀孝は少なからず驚いた。 (淳、一体どういうつもりだ?)  秀孝の表情に、実由は慌てて声をかけた。

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