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第六章・6

「試して、みる?」 「試し、って?」  そこで秀孝は、実由の体にそっと身を寄せた。  肩が触れ合い、体温まで伝わってくる。 (秀孝さん、いい匂いがする)  汗臭い健斗とは、大違いだ。  そっと肩に、手を回された。 「こうしてると、すごくドキドキして来ないか?」 「え、あ、はい……」 「実由」  素早く、唇を奪われていた。 「んっ」  こわばった実由の体を、秀孝は優しく撫でさする。 「可哀想に。飛永は、薄情な男だね。君みたいな素敵な子を放っておくなんて」  甘いささやきは、まるで催眠術のように実由から力を奪っていった。 (そう、だよね。僕だって、幸せに手を伸ばしても、いいよね)  口づけながら、秀孝は実由のベルトに手を伸ばした。  手際よく外し、制服を下ろす。 「後ろ、向いて」 「は、はい」  言われるがまま、実由はデスクの縁に手をかけて後ろを向いた。

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