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第七章・2
「どうしよう。司さんに、このこと言った方がいいのかな」
僕は、生徒会長の秀孝さんの恋人になりました、って。
そして、この関係も断ち切った方がいいのかな。
「今までは、健斗との話を聞いてもらってたけど」
そして、慰めてもらってたけど。
秀孝さんがあんなに優しいのなら、もうその必要もないのかもしれない。
「司さんから連絡が来たら、一度だけ会おう。そして、話してみよう」
そう決めて、実由は司からのラインや電話を待った。
しかし待ちに入ると、その念はなかなか届かないものだ。
司からの連絡は、一週間後のことだった。
『元気かな? 何だか久しぶりだけど』
『ちょっと、心配した。仕事、忙しいの?』
『ひと段落突いたから、もう大丈夫だよ。近いうちに、会える?』
「近いうちに、会える? ……か」
どきり、とした。
一週間の時間は、実由と秀孝の関係をさらに深いものにしていた。
どうしよう。
会おうかな。
それとも会わずに、もう別れましょう、って言おうかな。
しかし、一度は会う、と決めていたのだ。
実由は司に、返事をした。
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