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第十二章・4

 健斗が、動く。  ていねいに、優しく突いてくれる。  実由は、髪を散らして甘い声を上げていた。 「あぁ! 健斗ぉ、すごい。すっごく、あ、あぁん!」 「実由、好きだよ」  腰をしっかりと合わせ、うねるように動く健斗は、実由を夢見心地にさせていた。 (好き。健斗、好き! 大好き!) 「んんぁ、また。また、イッちゃうぅ!」 「俺、俺も! な、実由。一緒に、イこう」  嘘。  ホントに、夢みたい。 「い、一緒に?」 「うん。俺も、もう出そう」  いつも早かった健斗にしては、信じられないほど長く自分を保っていた。 (実由を、悦ばせたいんだ、俺は)  その一心で、彼を抱いていた。 「あ、実由。出るッ」 「ん、ぁあ! はぁ、はぁ、あぁああ!」  健斗の熱い精が、実由の体内を駆け巡る。  その刺激で、実由もまた一気に吐き出していた。  二人で体をぴったりと合わせ、腰を震わせていた。

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