93 / 100
第十二章・5
「んぁ、はぁ。あぁ、う……」
「実由ぅ……」
しばらく繋がったまま、互いの体を撫でさすった。
そうして、互いの愛を感じていた。
健斗が挿入った時と同じくらい優しく外へ出て行った後も、実由は動けなかった。
荒い息を吐き、瞼を閉じ、涙を流して余韻に浸っていた。
「実由、平気か?」
「ん……。すごく、悦かった……」
「でも、泣いてるじゃん」
「嬉し泣き」
そう言うと、健斗はもう一度キスをしてくれた。
甘えて鼻を擦り付けると、くすぐったいような笑顔を、くれた。
「シャワー、浴びなきゃ。実由、先にいいよ」
「ありがと」
シャワーを先に使わせてくれるのも、初めてだ。
「健斗。あの健斗は、本当に健斗かな? キツネが化けてるんじゃないのかな」
そんな冗談をつぶやきながら、実由はシャワーを使った。
ともだちにシェアしよう!