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【SIDE:M】

「あ、危なかった……!」  完全に油断していた。  昔から、 「神崎って体毛薄くていいよなー」  って言われることが多かったから、安心していた。  てっきり、の毛も薄いもんだと思っていた。  だって、ちん……いや、前の毛だって、そんなに濃くない……と思う、し。  でも、それこそが盲点だった。  だって、は俺自身には見えない!  佐藤くんには見える……し、思いっきり見られまくっている。  いつも。  定期的に。  ジーッと視線で舐め回すように見られて、時には実際に舐め回されて……って、そうじゃない。  ……いや、もしかしたらそれが原因なのかもしれない。  もしも、俺のそこがもじゃもじゃで、今までずっと我慢していた佐藤くんの堪忍袋の緒がついに切れたんだとしたら?  ――理人さん、別れましょう。  ――な、んで……。  ――もう、耐えられないんですよ! 理人さんのそこを舐めるたびに、舌が毛まみれになって、どれだけ口をゆすいでも絡まって取れないし!  ――そ、そんなことで別れるなんて言うなよぉっ……脱毛するから! 佐藤くんが調べてくれてたとこ、ちゃんと通うからぁ……ッ。  ――もう遅いです。俺がこれまでどれだけ耐えてきたと思ってるんですか? 理人さんには『そんなこと』でも、俺にとっては違うんです。  ――そ、それはっ……。  ――さようなら、理人さん。  そんなの絶対に嫌だ……!  数分後、 「うっ……うぅん……ッ」  俺は、自分の身体の限界に挑戦していた。 「み、見えない!」  いくら身体を捻っても、どんな風に身体を捻っても、そこをピンポイントで映し出すことができない。  それに、鏡がすぐに曇る!  でもシャワーを流しておかないと、不審に思った佐藤くんがうっかり入ってきたら困る。  ものすごく困る!  ……けど。 「ああくそ!」  きっと一瞬ならバレないに違いないと、俺はシャワーを止めた。  それが、どれほど安易な考えだったかを身をもって学ぶことになるとも知らずに。

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