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【SIDE:M】

 うっ……佐藤くんの視線が痛い。 「なに、やってんですか」  なにって……なに、って……。 「よ、夜の営みに向けて、じゅ、準備っ……」 「じゃないですよね?」  佐藤くんは、氷のように冷たい眼差しで俺を見下ろした。  立ち上がるタイミングを完全に見失った俺は、両手両足をついたまま、凍てついた視線を浴びている。  恥ずかしいし、情けないし、悔しい。  そこがもじゃもじゃなのは、俺のせいじゃないのに。   「佐藤くんのせいだろぉっ」 「はあ……?」 「直接言ってくれれば良かったんだよ! 俺のOラインは、もじゃもじゃだって!」

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