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第4話
「ああ、ようやく見つけた。我らの……我らだけの花嫁」
「ったく、手間掛けさせやがって」
「……ずっと、待ってた……」
「もう、永遠に離してなるものか」
四体の神が
地上に降り立つ時、
選ばれし者、
花嫁とならん
地上に降りた神々はようやく見つけた花嫁を迎えに行く。
永らく待ちわびたその瞬間、
数百、数千年と渇望した神々は、地上で花嫁と再会を果たした。
ぐっすりと眠る二人の少年のうちの一人へと、
一体の神が歩み寄る。
「――我が花嫁、共に参ろう」
一体の神がそう呟き花嫁を横抱きに抱える。
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る花嫁を見つめ四体の神はそれはそれは愛おしそうに微笑んだ。
今宵は満月。
月が雲に隠れたその一瞬の出来事。
再び満月が姿を現した頃には四体の神とともに、花嫁……いや、一人の人間も忽然と姿を消した。
一人の少年の神隠し――
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