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第33話

 互いにシャツを脱いで交換した。アンリはそれを口元に持ってきて、匂いを嗅ぐ。レオンは端を噛んで、アルファの凶暴性をなんとか抑えようとしていた。鼻もシャツで抑えている。もう鼻血は止まったのだろうか。 「ヒートの時……っ、オメガが真っ先に感じるのは、アルファのフェロモンで……んっ、嗅ぐと……甘くてくらくらうる……ふ、ぅ……上等な葡萄酒みたいにね……」  時々、声には喘ぎ声や漏れる吐息が混ざる。たまらないのだ。今、アルファの匂いに包まれているのだから。 「あ、ん……っ」  後孔を溢れ出た蜜が濡らしていく。塗り広げるように指を上下に動かすと、彼がごくりと喉を鳴らした。 「……もう、ぐちゃぐちゃだな」 「う、ん……っ、ヒートの時に、相性の良いアルファがいると……こうなっちゃう……」  あまりの快感に、もう見られて恥ずかしいという気持ちはどこかへ消えてしまった。見せつけるように、何度も浅い箇所に指を出し挿れしている。 「……奥には、挿れないのか」 「ん、っ……もう少し、したら……覚えてて……無理に挿しても、オメガは痛いだけ……だから、あんっ、最初は、ゆっくり……」  指を動かすうちに、奥にも刺激が欲しいと、内側が指を締め付ける。我慢できずに、秘部につぷりと指を忍び込ませた。 「あ、あぁっ、あん……っ」  快楽を生み出す場所を指で押す度に、嬌声が漏れた。 「すごいな……ひくひくして、指を吞み込んでいる……」 「あっ、あんたも……んっ、大人になったら……ここに、挿れるんだ……。挿入して、奥をぐちゃぐちゃにかき回すんだよ……見てて……」  指を挿入していない方の手で、媚肉を広げてみせる。彼の舐め回すような視線を感じると、そこはひくひく震えた。

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