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第69話

 そうして連れていかれたのが、ミレーヌが毎週末に開催しているというガーデンパーティーだった。  といっても、よく噂に聞く王都の貴族が開くサロンなどではない。田舎貴族であるルネット家には、毎週貴族を招いてパーティーを開く余裕は時間的にも金銭的にもなく、ただ領地の平民を集めて料理を振る舞うだけの会だった。  その日の売りは、中庭で咲いていた薔薇のジャムだった。香りがよく色も綺麗で、少女たちはジャムをたっぷりつけた焼き菓子を頬張りながら、小鳥のように和やかに歓談している。  結局、どこが楽しい会話なのか分からないまま、アンリは端の席に座っていた。そこまではまだ良かったのだ。 「この子ね、新しくできた弟なの! 私の三つ下なのよ!」  アンリの両肩には、ミレーヌの手がそっと置かれていた。それから、頬ずりするのだろうかというくらい顔を近づけ られ、にこやかに招かれた少女たちへと紹介された。本当に、仲の良い姉弟のように。  そこからは、和やかだった小鳥の囀りは、蜂の巣をつついたように煩くなった。

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