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第103話

 ある夜、熱が下がりかけて退屈を持て余していたレオンは、母にペンダントの中身を見せてほしいと頼み込んだ。  中に入っていたのは、件の歪な家族の絵。それも、皆が皆、既に離れ離れになってしまい、家族と呼べるのかすらもわからない集合絵だった。  その中でも、レオンが惹かれたのは、仏頂面でいるひとりの少年だった。 「ねぇ、ママ、彼は誰?」 「弟よ」  不幸な事件があって、家を追い出された――自分が追い出してしまったようなものだと、母は言った。彼はもう、ミレーヌの生家であるアンリ家から戸籍を抹消されてしまった。 「まだお父様の目があって、迎えに行く約束も果たせてない……私はひどいことをしたから、彼に合わせる顔がないの。それでも、大切な弟なのよ……」  血は繋がっていないらしい。それでも、母の弟なら、レオンにとっては叔父になる。しかし、絵の中の幼い少年と、叔父という言葉はレオンの中で上手く結びつかなかった。

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