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第130話

 するとレオンはありがとうと言って、覆い被さるように抱きしめてくる。 「んんっ」  そのまま、熱烈なキスをされた。今までの、アンリを気遣ってしてきた口づけとは少し違う。したくてたまらないというようなキス。乱暴なそれを、気持ちいいとも思う。 「ちょっ、ちょっと待って……」  発情期まではあと数日。このままでは、気持ちよさに流されて、アンリは自分の言いたいことも、言うべきことも言えなくなってしまう。  アンリは身体を起こし、嵌めていた首輪を外した。彼と番になるのなら、これはもう必要ないものだ。 「これを、もらってほしい。あんたは俺と対等でいたいって言ってたから、いらないかもしれないけど……」  つける必要のなくなったチョーカーを、オメガはアルファに渡す。自らの永遠を、貴方に捧げるという意味合いで。この地に古くからあり、既に様式化された儀式だ。それでもアンリは、心からこれを彼に渡したいと思っていた。 「俺はあんたと一緒にいたい。ずっと隣にいて、互いが互いの一部になるくらいに。だから、俺は渡したかったんだ。……俺を、永遠にあんたの一部にしてほしい。永遠に、一緒にいさせてほしい」  彼はすっと目を細め、嬉しそうに微笑む。普段は大人っぽく見えるが、こうして笑うと、年相応の青年だった。 「もちろん。やっと結ばれるんだ。……永遠に、離すものか」  彼は耳元でそう囁いて、露わになったアンリの首に、そっと口づけた。

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