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第133話

「ねぇ、はやく……っ、さわって……」 「お楽しみは、全身を味わってから」  そして、唇は首筋から鎖骨へと向かう。 「は、ぁ……」  ガウンの胸元は既にはだけている。胸の先は、最初舌で輪郭をなぞられるだけだった。味わうと言った通りに、ねっとりと舐められ続けるだけ。結果、もっとしてほしいと、自分から胸を押しつける形になってしまう。 「あんっ、なんで……っ」  胸の先が赤く色づき、くすぐったいような快感が、痺れる快楽に変わった矢先だった。彼が唇を離すと、唾液がねっとりと糸を引く。 「言っただろう。全部味わうと」  彼の視線の先を辿る。先からとろりと少量の蜜を流し、早く触れてほしいとずっと震えているあの場所。嘘だろと思ったが、予想があたり、気づけば呑まれるようにぱくりと咥えられていた。 「あああっ、や、あ、ああっ」  ずっと触れてほしいと言った。しかし、待ち望んでいたはずの刺激にしては強すぎる。鈴口を舌でぐりぐりと弄ばれると、腹の底からこみ上げてくる快楽がある。 「あ、も、だめ……っ、イっちゃう、から……っ」  もう離してほしい。そう懇願したのに、より深く咥えられ、啜られる羽目になった。 「やっ、こわい……っ、ああああっ」  腰が浮くほどの激しい快感に、泣きながら達した。

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