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第136話
精を放つ時の顔など見られたくないのに、抵抗はできなかった。もう自分の身体は彼の一部になっている。好きに扱われたいと身体中が主張している。
「んっ」
愛おしそうに頬を撫でられ、キスをされる。彼の方はまだ一度も達していない。堪えているというよりは、こちらの反応を見ることに夢中になっているようだった。
「俺、平気だから……もう一回、奥まで来て……」
熱い身体のまま、もっときつく抱きしめてほしい。彼は自分がもう何度も達していて苦しいはずだと、無理はさせたくないと思っているのかもしれない。そんなことないのに。もっと真っ直ぐに伝えた方がいいのだろうか。
「……俺は、あんたと、もっとしたい」
発情期がおさまっても、出立まで時間の許す限り抱き合った。その間には、何度も可愛いを連呼されていたたまれなくなったり、彼ののみこみが早く想像以上にテクニックが上達し、羞恥と快楽で何度も泣かされる羽目になってしまったけれど。
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