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第2話 転生プロローグ2
『転生するかの?』
「転、生……? できるのか……?」
『ふむ。お主は生き方がいぎたなかったからの。できるが……』
「するっ、させてくれ! おれは……っ」
『それなりの世界にしかゆけぬぞ?』
「いいっ、する!」
いつの間にか前のめりになった遥の目を、老人はしげしげと見返した。
『しかし、お主、なぜそんなに転生したがる?』
「おれは──……」
その時、脳裏を生前に聞いた声が過ぎった。
──愛してないんだろ?
誰も。自分でさえも。
──なのにお前は何のために、愛を騙る?
その言葉が棘のように胸に刺さっている。
傷のように癒えず、張り裂けそうに心が叫んでいる。
わからない。
わからない。
わからない……!
(何のために生まれてきたのか、わからない)
「何のために生きたのか、わからないからだ」
『ふむ』
「目的達成のために手段を選ばず足掻いた人生だった。けど、全然足りなかった。今死んだんじゃ、いったい何を成し遂げるために生まれてきたのか、わからない。だからだ」
『あいわかった。では眠るがよい。次に目覚めた時は──……』
老人の声が鼓膜を震わせた途端、遥の視界がぐにゃりと歪み、再び眠りが訪れた。
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