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第22話 ポーズは3回まで1
『ほい、パンパカパーン! 試練へようこそじゃ!』
頭の後ろで「神」の声がする。
(クソ爺ィ! このクソ仕様変えやがれ!)
『ご挨拶じゃのう。お主、本当に性格がひん曲がっておるな! さすが悪役令息じゃ!』
(何でこんなややこしいダイアログが出るんだ! 開発責任者呼んでこい!)
『んなこと言われてものう……。リリースしてもうたもんはしょうがないじゃろ。それより、機能の説明じゃが、神の試練ダイアログが出た時点で指定の動作を実行せんと、そのキャラが持つお主に対するプラス感情の値がゼロに引き下げられることになっておる。実行しなくてもまあ問題はないが、そのたびにゼロになるぞい。ま、頑張るんじゃな』
(はあ? ありえないだろ! 変態か頭のおかしな奴ぐらいしか、今の状況でキスなんて……っ)
『誰も唇にせいとは言っとらんがな』
(にしたって、おかしすぎるだろ……!)
『面倒くさい男じゃのう、お主。ま、そういう仕様なんじゃ。ポーズは3回までしか使えんからの。さらばじゃ!』
(あ、ちょっと……!)
面倒くささ全開でさっくり切り上げられたことに絶望と怒りを感じたハルは、思わず拳を握り締めた。
「ハルさま……? 大丈夫ですか?」
「ふえっ? あ、ああ……だ、大丈夫だ!」
ポーズが解けたことを知らずにいたハルが、百面相をしていると、ララが覗き込んできた。思わずその唇に目がいってしまい、ハルは首を横に振って自分に言い聞かせた。
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