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第26話 ルート選定2

「心配事というか……」  まさかBL恋愛RPGの攻略方法を工夫しているとは言えず、ハルは誤魔化し笑いをしながら、次のイベントについて考えていた。本来ならば、ハルの帰省中に、ララとロイエンバーム兄弟のどちらかとの仲が進展するはずだから、休暇中のイベントをぶっ潰すためには、ハルも寮に残るのがベストだった。  しかし、前回も今回も、ハルは休暇になると家に帰っている。特別な理由もなく寮に残ったら、実家にいらぬ心配をかけてしまうことになる。 「そうだ。週末は帰省するのか? ウィリスとトーリスは」  それとなく話題を振ると、トーリスは少し眉を動かした。 「実家が大規模改装工事中だから、週末は寮に残るよ」 (やっぱり!) 「あ、じゃあ……家にこないか?」 「え?」 「あ、いや、洗濯大会のお礼にさ。ララやみんなも誘って、お茶会をしないか? うちには双子の妹がいるんだが、会ってみたくはないか?」 「妹? きみも双子なのか?」  トーリスは、初めて知ったという顔をした。当然だ。ハルはずっと、私生活に踏み込ませないよう、誰とも親しく距離を詰めずにいた。家に誰かを招待する時は、将来を誓い合ったアルファにしろ、と父から厳命されてもいたが、背に腹は変えられない。妹にはあとで手紙を出して、協力を要請しよう、と思った。 「ま、うちは二卵性だから、それほど似てないけどな。ちなみに妹はアルファだ。部屋なら余ってるから、歓迎するよ」  ハルが誘うと、トーリスはまんざらでもない様子で考え込んだ。 「ウィリスに聞いてみないとわからないが、他の連中にも声をかけるなら、手伝おう」 「良かった、楽しみだ」  幸先のいい返事をもらえたことに気を良くしたハルは、これで少なくとも、ララを寄宿舎に残すルートは潰れたな、と胸を撫でおろした。あとは家にみんなを招待し、ララの好感度を上げることに集中すればいい、と思った。

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