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第27話 紳士淑女のお茶会1

 ガーディナー家で催されたお茶会に参加するのは、ウィリス、トーリス、ララ、そして主催者であるハルの二年生四人組と、洗濯大会で世話になった三年生が八名の総勢十二名だった。  昼食後に寮を出て、ガーディナー家に到着すると、ハルはララたち同級生を自宅の応接間に案内した。上級生にはお茶会の準備の手伝いを命じてあり、彼らをハルの妹のアリサに紹介すると、喜び勇んで女王気質のアリサにこき使われる気になったようだった。 「すごいです、ハルさま! こんなにたくさんの絵画があるなんて、まるで美術館のようです! それに、さっき通った図書室も、あんなにたくさんの本を図書館以外で目にできるなんて……!」  ハルが屋敷内を案内してやると、ララ喜びに目を輝かせた。素直な心を持ったララの嬉しがりように、ハルも少し得意になる。  ウィリスとトーリスは、時代もののヌード絵画の前で何やら立ち話をしている。そのうちに執事が寄ってきて、お茶の準備ができた旨をハルに伝えた。 「おい、ロイエンバーム兄弟、裸のご婦人をそんなにじろじろ見たら失礼だぞ。お茶の準備ができたようだ。行こう」  四人で連れ立って中庭へいくと、パラソル付きのテーブルが五つ用意されていた。上級生たちがハルたちを立って出迎えていたが、その中心には妹のアリサがいる。彼女は美しくセットされた豊かな金髪をくゆらせ、皆が席についたことを確認すると、慈悲深い聖母の笑みを浮かべ、ホステスとしての役目を果たしはじめた。 「きみの妹君はさすがにきみに似て美しいな」  ウィリスがハルの右隣りでこっそり耳打ちする。 「おれを褒めても何も出ないぞ。褒めるなら彼女に直接言うべきだ」 「では挨拶に行ってこよう。トーリス」

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