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第52話 突発発情2

(──神……!) 『ほーい、何じゃい? 二回目のポーズじゃぞい』  頭の芯がねじ切れそうなほど強く念じると、幽体離脱したみたいに、ハルは一瞬で宙の世界に浮いた。見下ろすと、隣り合っているウィリスとハルの肉体が見える。 (これ、俺の心を……今、読んだ……?)  いや、違う。違うはずだ。ウィリスとしたいだなんて、思ってない。  そう否定しようとするが、どうしても心が納得しない。  通称「神」はそんなハルの葛藤を、静かな目で見ていた。 『お主の心なんぞ、わしには読めん。ダイアログが出たのは、何らかの条件が満たされたからじゃ』 (じゃあ……) 『するもせんも、お主次第じゃな』 (……)  真摯な面持ちで沈黙したハルに、「神」は手短かに伝えた。 『この世界にお主を転生させたのはわしじゃが、基本的にわしは世界を司るだけじゃ。わしにはお主の問題を、どうこうする義務も権利もないぞい。ホイホイ「神」にばかり頼っとらんで、たまには自分で考えんか』 (それは……) 『ダイアログを消すには、何もせず、一定期間放っておけばよいはずじゃ。が、消えると同時に、前にも言ったが、お主に対する好感度もゼロに下がるぞい。ま、臆病者には、ちょうどいい試練じゃろ。んじゃな』 (……っ)  ハルが言い返す前に、「神」は強引に宙を閉じ、逃げてしまった。  身体に意識が戻ると、ウィリスがちょうど唇を離したところだった。目尻が赤く染まっていて、今にも噛みつきそうな、余裕のない表情をしている。  その顔を見た途端、身体から蒸気のような熱が吹き出した。

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