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第54話 突発発情4(*)

「か、……」 「か?」  今、自分がどれほどあさましい顔をしているか、取り繕う余裕もなく、ハルはねだった。 「鍵、閉めて……」 「ハル……」  躊躇したウィリスもまた、止めることが困難な衝動に見舞われているのが、表情からわかる。早く、早くと急くあまり、だらしなく開いたハルの口から、唾液が零れ落ちた。 「お、願い……、お願い、だから……っ」  拒まないで欲しい。  息が荒く、熱くなってゆくのは、ハルだけでなくウィリスも同様だった。ふたりは見つめ合ったままであることも忘れ、いけないことだと自覚しながら、互いに互いを求めていた。 「……鍵だな、閉めるぞ」  次の瞬間、ウィリスは低く呻くように言うと、ハルの部屋のドアの鍵を閉めて、取って返した。 「これで誰も入ってこれない。お前を抱いてもいいか? ハル」  心がざわついて、身体の芯が溶鉱炉で熱せられた鉄のようになっている。こくこくと余裕なく頷くハルを、ウィリスはぎゅっと胸に抱きしめた。 「すまない……っ、お前を、こんな風にしたいわけじゃない。でも、もう、限界だ……っ」  ウィリスは唸るようにして、獰猛な猛獣の如く全身のバネを使って、ハルをベッドの上へ組み敷いた。 「あっ、あ、ウィ、リス……ッ」  手早くふたりとも着ている服を脱ぐと、互いに抱き合ってキスを交わした。 「ん……はぁっ、早、く……っ」 「わかっている」  言いながら、ウィリスの手がハルの屹立を躊躇いなく握り込む。

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