ララの代わりにモーリジィをあしらい、好感度をほどよく上げた状態でウィリスに見つけてもらう。積み上げてきた信頼を確かなものにするためには、ひとりでモーリジィを退けてみせるのが一番だ。 　そして、最終関門の『放課後お茶会クラブ』でモーリジィの悪事を暴けば、ハルにもララにもロイエンバーム兄弟にも、明るい未来が見えるだろう。 　学年が違うこともあり、接触の機会が少ないモーリジィの好感度をほどよく上げるには、クリケット大会はまたとない機会だ。モーリジィを味方に付けることは無理だが、好感度によっては、最後のお茶会で罪を認めさせる展開に持ち込めるかもしれない。それができれば、ハルの勝ちだ。 　もうゲームは半ばまで進んでいる。ハルにとってクリケット大会は、分水嶺となりそうだった。 （あとひと踏ん張りだ） 　あと少し頑張れば、ララやウィリスやトーリスたちに、嘘や隠し事をする生活と、おさらばできる。 　ハルには、わずかではあるが、勝利を呼び込むその道の光が、細く、だがしっかりと見えている気がしていた。