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第88話 クリケット大会8
「はい。ぼくにも話がきました。万が一、あなたが捕まっていたり怪我をしていたら、助けて、いち早くその場を離脱し、救護室まで避難するようにと。……ぼくでは、大した戦力になりませんから」
ララはそう言って、少し痛みがあるように笑った。ウィリスの予感は当たり、彼の用意周到な準備のおかげで、ハルは助かったのだった。
「でも、あの、おれと……きみはともかく、みんなは……」
相手は最上級生のモーリジィ一派である。
だが、その点も特に問題ないとララは不敵に微笑んだ。
「数で圧倒してますから、いくら乱暴な先輩たちでも太刀打ちできないでしょう。今ごろ袋叩きですよ。きっと」
ウィリスはすごいです。とララは言った。少し切なげな様子が気になったが、ララはハルが無意識のうちに震えているのを見ると、乱闘現場に戻るのを止め、怪我人たちが救護室を占領するようになるまで、ずっとハルの手を握ってくれていた。
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