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第100話 トーリス・フラン・ロイエンバーム4

「トーリス、確認するが、ウィリスは梅干しと昆布茶を懐かしいと言ったんだな?」 「ああ。少なくとも俺は出逢ったことがなかったし、パーティなどで出された記憶もない。いや、きみの家に苦情を言いたいわけではないんだが……」 「いや。わかるよ。確かに家の習慣は、他の貴族たちと比べて少し独特なものがあるから。ウィリスには、おれがそれとなく聞いてみるよ。それでいいか?」 「頼めるか」 「任せてくれ」  ハルはトーリスの相手をしながら、ひとつの絶対にあってほしくない可能性に到達していた。 (ウィリスが、転生者の可能性がある……?)  梅干しも昆布茶も、このゲームの世界観には元々そぐわないものだ。幼少期から与えられ続けたハルはすっかり違和感なくそれらに馴染んでしまっていたが、そもそもなぜ家にそれらがあるのか、説明できなかった。  ウィリスが『ベータはアルファの誓約に』をプレイしたことのある転生者だったならば、ハルの危機を事前に予測して動くことなど容易いだろう。そしてウィリスの性格なら、きっと想いを寄せているララを助けようとするはずだ。そのためには、まず首謀者のひとりと目されているハルに懐柔するのが、一番手っ取り早い。 (迂闊だった……)  その可能性に突き当たった時、ハルは世界がぐらりと揺らぐのを感じた。

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