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第101話 トーリス・フラン・ロイエンバーム5

 ウィリスにもキャラクター属性による行動制限と補正がかかっているのだろうか。  あの突発発情の時に「神の試練」ダイアログがウィリス側にも出ていたとしたら……。 (いやだ)  反射的に、ハルは唇を噛み締めた。あの交わりが強制された事象だと思いたくない。ウィリスに心の欠片を分けてもらえたと、思っていたのに。 「それと、もうひとつ」  ハルが思考の渦に呑まれようとしたところへ、トーリスが引き戻すように言葉を継いだ。 「週末、もし暇なら俺の部屋を訪ねてほしい。もうひとつ、ちょっと込み入った話があるんだ」 「あ、うん。わかった。午後でいいか?」 「ああ」  再びトーリスと目が合ったが、ダイアログが開くことはなかった。  ハルは何かが自分の知らないところで動いている予感を抱きながら、その正体を知れないことに、酷く焦れた。

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